コンテンツの廃れる速さが異常
尋常ではないスピードでコンテンツが消費される時代だ。
多くの人々は健忘症のように、3ヶ月前にあれほどハマっていたものに飽き、そして忘れる。
例えば、
今けものフレンズのことを覚えていた人はどれだけいるだろうか?
正直かなり記憶の片隅にほんのり残っていた程度ではないだろうか。
「けものフレンズ」という言葉を見てそう言えば、そんなのあったなとなる人がほとんどであろう。
そんな人でも1年前は「すごーい!」とか「〇〇なフレンズなんだね!」とか恥ずかしげもなく言っていたのかもしれない。
具体例でけものフレンズを出したが、それ以外も同じである。
けいおん!にしろ、ごちうさにしろ、ラブライブにしろetc…ほとんどの人は覚えていない。
すぐに忘れ去られるのだ。
また、昨今爆発的に人気となったVチューバーもこの類のものだ。
現にほとんどの人はまあ飽きているだろ。
おそらく、娯楽の供給過多に陥っているのだろう。
早いサイクルで回しても次々にコンテンツが湧いて出てくる。
インターネットの登場により個人でも情報発信ができるようになったと同時に、供給量が圧倒的に増大してしまった。
昔は一つのゲームソフトを何回も遊び倒していた。それは、ゲームソフトを手に入れるにも必ずお金が必要だったからである。
金銭的な制限があったために一つのゲームを遊び尽くすしかなかったのだ。
しかし、今はそうではない。
基本プレイだけは無料で出来るし、手軽にスマホで遊べてしまう。
飽きたらまた別のゲームをやれば良いのである。
だって無料だし。
昔とは明らかに状況が違う。ゲームを例にしてみると多くのものは無料で遊べるようになり、また、選択肢としても非常にたくさんのゲームが存在するため、一つのゲームを長くやるということがなくなってきた。
それはアニメでも同じで、毎クール何十本ものアニメ作品が作られるわけである。
一つの作品に熱狂してもそのすぐ1週間後にはまた別のアニメが始まるのだ。
また、こういったサブカルチャーは芸術ではなく、コミュニケーションツールの一つとなっているので、周りについていくためには最新のアニメをとにかく追いかけなければならないのだ。
コミュニケーションはインターネットにより手軽に簡単に行えるようになったが、その反面コミュニケーション疲れを起こしてしまいかねないほど情報が飛び交うようになってしまった。
コンテンツの消費の加速はクリエイターを疲弊させ、作品一つ一つの質を落としてしまう。
コンテンツ大量消費社会
コンテンツ大量消費社会とは、まさにその名の通り、コンテンツが大量に消費される社会のこと出る。
大量生産、大量消費の時代が物ではなく、情報の分野で起きているのである。
情報革命以降、我々の社会は大きく変わった。
国内の産業構造を見ても第三次産業が急速にその割合を増やし、国内の内需型産業に関してはほぼ第三次産業に移行している。
これは日本だけの話ではなく、世界中でサービスや情報といった物ではないものを売って経済が回っているということだ。
日本のゲームは世界でも高く評価され、世界的に売れているが、アニメはどうだろうか?
最近のアニメは残念ながら、海外から金を稼ぐレベルに達していない。
小さい国内の市場の限られたオタクをターゲットにしているが、どう考えても限界がある。
パイは年々縮小しているなかで、競合がどんどん増えている。
これではクリエイターは過当な競争を強いられ、疲弊し、潰れていくのがオチだ。
解決策として、海外を初めから視野に入れたコンテンツの制作をするしかないだろう。
アニメーターの待遇を上げるには
エンタメはやりたい人が多くいるので、当然市場原理に任せれば、賃金は下がる。
しかし、やりたい人がたくさんいても高級取りな仕事というのは実は存在する。
それはテレビのアナウンサーだ。
アナウンサーになりたい人は山ほどいる。
にも関わらず、アナウンサーの賃金は下がらない。これは人為的に枠を絞っているからだ。
アナウンサーはテレビ局の採用試験を受け採用されなければならない。
アニメーターの待遇を考えるのであらば、これをアニメ業界にも適用するしかない。
現状アニメ制作会社があまりにも多すぎる。
テレビ局の様な既得権を持ち合わせているわけでもないので、大量に作られてしまうのだが、法律で規制し、参入障壁を高くすればアニメーターの絶対数も少なくなり、待遇は良くなる。
競争がなくなると、質がそれもそれで劣化しそうではあるが。
ただ、近年の人手不足を受け潰れるアニメ会社も多くなるだろうし、近年では中国でアニメ産業が急拡大しているので、優秀な人はヘッドハンティング、引き抜きが行われるだろう。
能力があれば、おそらくら今後アニメーターの待遇は改善していくはず…
コンテンツ大量消費社会を生き残るには
今後一方的な情報の発信は全て無料化する。
ではどうやって生き残るのかというと、作者との関係性である。
生産者と消費者との間の関係にこそ価値が生まれる。
このインタラクティブ体験がより重要となってくるのであろう。
例えば、堀江貴文さんのメルマガのマネタイズ。これは堀江貴文さんに直接質問をしたりすることができるインタラクティブ体験を売っているのである。
それと同様のことが多くの分野で起こるはずだ。
例えば、アイドルのランキング投票するための券を手に入れるために金を払う。握手するために金を払う。
こう言ったことがより増えていくはずだ。
少年ジャンプの人気応募ハガキや抽選券と言ったものに価値を見出していくのではないだろうか。
中身自体はデジタル化し無料にならざる得ない状況になる。
マネタイズの手段としては広告収益とインタラクティブ体験を売るという二本立てでコンテンツが生き残りを図っていくのではないかと私は予想している。