クッキー☆とは?
クッキー☆とは (クッキーとは) ニコニコ大百科 スマートフォン版!
ジャンルとしてのクッキー☆
①【東方合同動画企画】魔理沙とアリスのクッキーKiss(クッキー☆)
②【東方project】クリスマス企画!【ボイスドラマ】(クッキー☆☆一期)
③【東方project】東方お正月!【ボイスドラマ】(クッキー☆☆二期)
④【東方project】クリスマス企画!2013【ボイスドラマ】(クッキー☆☆三期)
クッキー☆と言うのは、東方の二次創作から始まった一連のシリーズ群のことです。
東方と言うのはZUN氏が作っている同人ゲームが元となっているシリーズ群です。
この東方シリーズの素晴らしいところは二次創作を許可している点にあります。
同人でありながらこれほどの規模を誇るコンテンツは他にありません。ゲームのクオリティもさることながら、同人作品がここまで異常な拡がりを見せた東方と言う作品から学ぶべき点は多いと思います。
(東方とクッキー☆は別物です)
クッキー☆の特徴はなにか
クッキー☆の特徴として、5つほど上げていきます。
- 視聴者参加型である
- 東方を題材にしたため、素材が多い
- 個人が作ったBBの蓄積により、どんどん表現できる幅が増え続ける
- 声優の人格がそのままキャラクターに反映される
- ネズミ算のような創作連鎖によるコンテンツの肥大化
これらの特徴によって今でもコンテンツが大きく膨らんでいます。
また、クッキー☆は素材の提供が定期的に行われれます。(本来はクッキー☆ではなく、東方の二次創作物なのであるが、クッキー☆に取り込まれてしまう)
この特徴を1つ1つ細かく見ていきたいと思います。
1.の視聴者参加型とは視聴者のコメントによる、キャラクターへの位置付けや性格的、能力的特徴や設定が取り入れられると言うことです。
これにより、コンテンツの作り手と受け手に一体感が生まれているのではないかと推測されます。
2.元が東方の二次創作であったため、MMDモデルが多いのです。東方は二次創作を条件付きではありますが、許容していますので、多くの人が東方キャラクターのモデルを製作しています。そのため、これらを利用した柔軟な表現ができるのです。
しかし、自由といっても、利用規約に反することはしてはいけません。
3.面白い点は、このBB文化です。BBとはBlue backの略です。個人の作ったものがパーツとして使用され、新たな作品の一部となるのです。
これは、インターネット内のオープンソースと非常に似ており、全体でいいものをシェアしてより良いものを生み出せる環境が自然と生まれたのです。(ただし、オープンソースと同様に、決して著作権を手放したわけではない点注意が必要である)
4.キャラクターの位置付けや性格的特徴、設定が声優からの輸入になります。
このため、同一キャラクターを演じたとしても別のキャラクターへと昇華しキャラクターの多様性がうまれるのです。
しかし、これに関しては非常に問題が含まれます。誹謗中傷や特定の等の被害がでており、問題となっています。
5.創作連鎖によるコンテンツの肥大化は止められないし、止まらないようです。
非常に様々なコンテンツを吸収しながら、コンテンツが肥大化していっているようです。これでは、権利侵害などのリスクが高まり、あまり良いとは言えませんが、クッキー☆自体個人による創作の連鎖によって成り立っているので、どうにもこうにも止めようがありません。
核同様、人類には扱いきれないものなのかもしれません。
個人クリエイターの時代
昨今では漫画や音楽、動画の違法視聴が問題となっています。
本来、出版社が著作者から著作権を委任若しくは、請け負い管理運用をすべきなのですが、それもせず、電子媒体のインフラ整備を怠ったというのはなんとも…
定額読み放題サイトを作るべきだったんでしょうが、どの出版社も利害対立があって動けなかったのでしょう。
自社で提供しているアプリはポイント制で使いにくいですね。ソーシャルゲームをモデルにしたようですが、個人的にはNetflixみたいな感じがいいような気がします。
あとは、steamとか上手くやってます。ゲームの割れも酷かったですからね。
利権にしがみつくと文化を破壊してしまうんですね。音楽でもJASRACが暴れまわってますから…
音楽も、漫画も消えるかもしれませんね。しかし、あくまでそれは商業としてであり、プライベートで音楽を作ったり、漫画を描いたりすることは当然残るでしょう。
各個人で、作り出し、著作権を運用していく、そういう時代になると思います。「ブラックジャックによろしく」の著作権の運用方法は大変面白い。この辺が参考になると思います。
「ブラックジャックによろしく」二次利用フリー化1年後報告 前編|佐藤秀峰|note
あと、キングコング西野さんもwebでは無料公開していますね。
私は漫画や音楽はあまり嗜みませんが、個人サイトは非常によく見ています。いやー面白い。
素人には素人の良さがあるものです。
データベース消費とは
データーベース消費
データベース消費(データベースしょうひ)とは、物語そのものではなくその構成要素が消費の対象となるようなコンテンツの受容のされ方を指す。批評家の東浩紀がゼロ年代初頭に導入した概念。
自分の好む萌え要素という記号に対してあたかも薬物依存者のように脊髄反射的な反応を示すようになったオタクの変容を(あるいはより一般に他者の欲望を媒介することなく自己完結的な欲求充足回路しか持たなくなる変容を)東浩紀はアレクサンドル・コジェーヴの表現を借りて動物化と呼んでいる。
デ・ジ・キャラットのほかにもびんちょうタンのように、データベース消費においては背景に物語を持つことなく誕生したキャラクターがあとづけで物語を持ったり二次創作の対象となることがあり、人間でないものをイメージ化して美少女をデザインする試みは萌え擬人化と呼ばれる。
2007年に発売された初音ミクも、それ自体は音声合成・DTMソフトのイメージキャラクターであり物語を持たないが、そのキャラクター性の高さゆえに多数の二次創作を引き起こし、東浩紀自身もその消費のされ方を「データベース消費そのもの」と述べている。
初音ミクは主に動画共有サイトニコニコ動画を拠点としてブレイクしたが、大量のMADムービー(映像の断片の継ぎ接ぎで作られた動画)で溢れるニコニコ動画という空間はまさにデータベース消費という形態が定着したことによって出現した存在だともいえる。
具体例を挙げるとクッキー☆やボーカロイド、東北ずん子の存在ですね。
声を当てた声優の個性を元に二次創作が加速し、キャラクターが作り出されて行く。
この流れは止まらず、二次創作の連鎖により、コンテンツが拡大していきます。
これらのキャラクターには大きな物語を持っていませんし、まさに東浩紀の言う「データーベース消費」であると言えるでしょう。
これからの著作物のあり方に関して、「ブラックジャックによろしく」の作者である佐藤秀峰のnoteが非常に素晴らしいので、そちらを見ていただけるといいと思います。
「ブラックジャックによろしく」二次利用フリー化1年後報告 前編|佐藤秀峰|note
大きな物語の縮小
ブログにおいては従来のウェブサイトでみられる階層構造という大きな物語が欠如したフラットな構造となっており、セレクトショップではブランドという統一性(大きな物語)を無視して商品が陳列・販売されていると考えられる。インターネット上での事例としては、ブログ以外にも電子掲示板2ちゃんねるで行われるような「ネタ的コミュニケーション」も、コピペ・アスキーアートなどをデータベースの構成要素とみなすという意味でデータベース消費と類似した現象であるといわれる。
ブランドを確立するのが難しくなっている。
個を引き立たせ、データーベース消費しやすい形へと変わりゆく中で、ブランド(大きな物語)を構築して行くことは難しく、コストもかかり、市場への受けも悪いということでしょう。
ここまで来るとユーザー同士が独自にコンテンツを構築していくモデルが普及してもおかしくはないです。
(東北ずん子がこれと似たようなことをやっています)
キャラクターの形成
大きな物語が求められない今。キャラクターが非常に重要になっています。
データベース上にあるデータからキャラクターを構築するという考えに加え、
キャラクターを生成する領域としてデータベースよりも自律的な作動原理を備えた「アーカイヴ」を想定した方が良いかもしれません。
ウロボロス消費
鏡裕之はポストモダン社会を説明するためのより妥当なモデルとしてウロボロス消費
二次創作活動(キャラクターの追跡消費)だけでなく、若い女性の間でのケータイ小説の受容(ショッキングな事件の追跡消費[注 12])や出演する俳優ありきで視聴するテレビドラマを決めるような態度(俳優の追跡消費)、さらには美少女ゲームでのいわゆる「CG回収」(CGの追跡消費)といったものが説明可能となる。
大きな物語ではなく、データーベース上の何かを軸とした消費活動です。
女性オタクの消費
社会学者の東園子は、男性オタクの間で物語消費的・データベース消費的な創作・消費活動が行われるのに対し、BL・やおいを好む女性オタク(いわゆる腐女子)の間では作品中のキャラクター同士の関係性に注目した二次創作活動が行われているとし、これを相関図消費と呼んでいる。
非常にカップリングに重きを置いている。
非常に女性にヒットしたお粗末さんを見ると、この傾向はよく現れていると言えるでしょう。6人兄弟という選択肢の多さと兄弟という関係性があるために、非常に多様でまた、簡単にカップリングを作ることができるデーターベースが用意されている。
オタクの動物化現象
脊髄反射的な反応を示すようになったオタクの変容を動物化と呼ぶ。
ある一定の条件下のものを見つけた場合に、消費や追っかけをする状態であります。
共振的コミュニケーション。
これが生まれた背景はやはりなんと言ってもインターネットの普及にあると私は考えています。
並列化され、一つの色に染まって行く
データベース消費
今は、パッケージでは売れません。
データベース消費の時代です。
データベースを主とするコンテンツの提供とインフラの整備が今後流行るのではないかなと個人的には考えていますし、私が作っているサイトはこの考えを基に作っています。
二次創作を許可し、データベースのみを提供する。あとは勝手に消費者が盛り上がるのを待つのです。
本を買えば、二次創作できるみたいな権利を得るようなビジネスもありなんじゃないかなーと考えています。
例としては東方プロジェクトやSCPが挙げられます。ユーザーが作り出し、ユーザー間で創作連鎖が起こる。これは面白い。
ホリエモンの原液理論に似ていますね。
究極のアウトソーシングです。運ゲーですが、非常に個人サイトと相性がいいと思います。
商業誌がなくなるようなことがあれば、プライベートな同人誌、個人サイトが流行る可能性はあります。
クッキー☆から今後のコンテンツのあり方を読み解く
このクッキー☆と言うものが、初めてネットに公開されたのが2007年ことになります。今から11年も前のコンテンツがいまだに生き残り進化を続けていると言う現象は非常に珍しく、新たなコンテンツのあり方と言うものを新たて考える際のヒントになりうるかもしれません。
アニメ業界には7年の法則というものがあるらしく、7年続いたコンテンツはその後長く続いていく傾向にあるそうです。例を挙げるとサザエさんやドラえもん、クレヨンしんちゃんなどがそれに当たります。
クッキー☆はすでに11年経過しており、この法則が正しければ、今後も続いていくことが予想されます。
今回説明した、クッキー☆の特徴を取り入れることで長く続くコンテンツを生み出せるかもしれません。
これからは、シェアの時代です。個々が得意なものを提供し、より良いものを作り出していく。企業が行なっていることを性善説に基づき、個人が自立分散してコンテンツを作り上げていく、このモデルが今後のコンテンツのあり方の基本となるかもしれません。
しかし、クッキー☆をそのまま真似るのは危険です。問題点も多く含んでいるので、そこは修正、改善していく必要があるでしょう。
ご視聴ありがとうございました。
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