ロマンチストとリアリストは反対?
私が見ているアニメにアイドルタイムプリパラという作品があるのだが、この作品には主人公の夢川ゆいとその対立軸にいる花園しゅうかというキャラクターがいる。
↓(妄想している時の夢川ゆい)
時間とお金の無駄使いが大嫌いな現実主義者
花園しゅうか
夢川ゆいはしゅうかのことが苦手と発言していたり、あまり相性は良くないようである。
作品的には、この両者はロマンチストの「ゆい」と現実主義で夢など見ないという「しゅうか」が対比されているのだが、ロマンチストとリアリストは交わることはないのだろうか?
ロマンチストとはロマン主義者のことで、夢想・理想を追い求める者。現実離れした、甘い空想を好む人などのことを指す。
リアリストとは現実主義者。現実に即して物事を考え、処理する人のことを指す。
確かに、一見異なる思想のように見える。
しかし、この二つの考え方は共存することが可能だと私は考える。
その理由を書いていきたいと思う。
しゅうかはリアリストであるが、トップのアイドルになりたいという夢を持っており、その夢を叶えるために手段としてビジネスを行い非常に努力をしている。
これをロマンと言わずになんと言うのか。
理想を追い求める者の真の姿だと私は思う。
夢(目的)を叶えるための手段としてお金を稼ぐと言うのは当たり前の話であり、夢だけを見て突っ込んでいくと言うのはあまりにもリスクが大きく、失敗すれば夢など見る余力など残らない。
どれだけ夢焦がれていようが、諦めざる得ない状況になってしまう。
本当に夢を実現したいと思うものであれば、そんな無茶な真似はしないだろう。
夢(ロマン)を追い求め続けるためにはお金が必要だと私は考えている。
ヒトモノカネそして時間。
これらのリソースがあってこそ夢は叶えられるのだ。
甘い妄想だけでなく、行動、実行する本気の姿勢こそがロマンだと私は思う。(この点でしゅうかはゆいのことを敵対視しているが、当然ゆいも妄想だけしていると言うわけではなく、努力をしている)
時間とお金のムダ使いが大嫌いな現実主義者である彼女は何よりも夢のことを考え愚直に夢を実現するために行動している。(特にお金は増やせても時間は物理的に増やすことは不可能だ。)彼女の口癖「アイドルタイムイズマネー」から見て取れるように何よりも時間が大切だ。
夢の形
彼女の曲「Miss.プリオネア」
[HD] Idol Time Pripara - アイドルタイムプリパラ 27 -Miss.プリオネア - YouTube
この曲の歌詞に「何よりも実感(時間と掛けているのかもしれない)が欲しい」
「夢なんかよりも実感が欲しい」とある。
(おそらく、叶わないから夢だと彼女は考えているのだろう。神アイドルになることは可能だと考え、夢ではなく目標であると認識している)
実感が欲しいと言うのもある種の夢ではないだろうか?
今日、夢の定義が大きなものになりすぎていると思う。
俗なことでも些細なことでもそれは夢ではないのか。
学校教育で夢を書かされることがあるが、そこに穏やかに暮らしたいので、不労所得を得たいと書けば、冷ややかな目で見られるだろう。
もっと大きな夢、立派な夢を持ちなさいと。
いやいや、これも立派な夢だろ。
手段や考えの違い
どんなものを夢と呼ぶのかはわからないが、少なくとも、彼女たちは神アイドルになりたいと考えているのだから、夢を持っていないということはないとかんがえられる。
あくまで、そこに至るまでの方法、手段、考え方が違うというだけだ。
2人とも、同じ夢を持ち、それを実現するための努力をしている。
ゆいも妄想だけではなく、チームを組んだり厳しいレッスンをしたりと努力している。
現実が見えていなければ、努力をすることは難しい。
何が必要かゆいはわかっているのだ。
つまり、ロマンチストとリアリストはバランスの問題であり、0か1かと言ったものではない。
夢を叶えるためには現実主義的な思考も理想主義的な思考も兼ね備えていなくてはならない。
その二つの考えの比率が違うだけなのだ。
宮崎駿『理想を失わない現実主義者にならないといけないんです。理想のない現実主義者ならいくらでもいるんですよ。』
別に宮崎駿さんのファンと言うわけではないのだが、彼のこの言葉には同意しますね。
なぜ、この両者に溝があるのか?
夢というものの考え方の違いからくるのではないかと私は考える。
ゆいは駆け出しのアイドルで段階的には低いほうだ。
しかし、神アイドルの一点だけを見つめているので、途方も無い夢を見ていると思われる。
一方でしゅうかの場合すでにアイドルとしてある程度の高いステージにいる。
遥か彼方の夢を見るというよりは、まず、目の前の目標を達成することを重要視している。
しかし、最終的には同じ到達点を目指していることには変わりない。
目線、焦点が違うだけ。
それだけの違いしかないのだ。
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