オートポイエーシスとは
人間の心は閉ざされている。
チリの生物学者であるマトゥラーナとヴィランが提唱したオートポイエーシス理論。
オーautoは自分のことであり、ポイエーシス(poiesis)は製作することを表す。つまり、オートポイエーシスとは自分で自分を作り出すシステムでかる。
生物のからだは日々、DNAの遺伝情報から複製されているためオートポイエーシスシステムであると言える。
マトゥラーナは動物の神経についての研究者であり、ハトの間に様々な波長の光を当てて、視神経の交付やパターンを調べていた。その際面白いことに気がついたのだ。波長の大小と興奮パターンの間には因果関係が見つからなかったのである。
つまり、外部の影響を直接には受けないということです。
機械的な存在であれば、ある波長に対して視神経の決めた部位が反応する。機械は他律的で決まった入力に対して決まった出力がでます。
生物は違いますね。自律的で、各個体がそれぞれ固有の歴史や思考を持っています。
閉じた自立システム
端的に言えば「閉じた自律システム」です。
このオートポイエーシスシステムは意識システムだとも言えます。
このオートポイエーシスの特徴として、閉ざされており、外部から観測することができません。
自己とは認識主体です。認識主体を認識することはできません。自己が認識できたとしたらそれは認識対象です。
仏教の言葉に「刀は自らを切ることができない」という言葉があります。
自らを認識することはできないんですね。