釈迦はどんな人間であったのか?
釈迦は現世の富貴に関心のない理想主義者だと思われます。
釈迦の母親の右脇から腹に、金色の牙を持つ白象が入り込んで、釈迦が誕生したそうです。
普通、男の子だったら妖艶な舞や、可憐な楽団の曲を喜ぶのでしょうが、釈迦は幼きころからこうしたことに興味を持たなかったそうです。
興味があることと言えば、なぜ人は生きるのかです。そして、彼はいつも死と病気におびえていて、世の中の移り変わりを嘆いていたようです。
彼はヤショダラと結婚して、ラーフラと呼ばれる子供も誕生しますが、彼はある日東の門の老人を見ました。次は南の門の病人を見る、西の門の死人を見る、そして、北の門の修行者を見て出家を志します。
父親のシュッドーダナ(浄飯王じょうぼんおう)や妻のヤショダラ、子供のラーフラは反対しましたが、彼は理想を追い求めて出家します。
その時に、釈迦が老いないこと、釈迦が病気にならないこと、釈迦が死なないこと、災いで不幸にならない願いを叶えていただいたら国王になるなんて言ったそうです。
出家した釈迦は理想を求めるために、苦行林に入ります。時として自分の命を敵にさらすような捨て身なこともしました。
アバラが出て弱るまで苦行に明け暮れましたが、苦行の無意味さに気がつき、苦行を辞めます。
そして、釈迦は悟りを開きます。この世は絶えず変化し、止めることのできないものであることを理解し、この世の全てを受け入れ、我を捨てることで、悟りが開け、全ての苦しみから解放されることに気がつきました。
釈迦の理想は捨てるとか、無とか言ったような思想です。
これが理想主義者と言った意味。
理想主義者
理想主義者気質(アポロン型)
この気質は非常に風変わりな価値観を持っています。それは人生の目的を探し、本当の自分になる事なのです。組織に属し認められる事でも、自由に生きる事でも、知識を追求する事でもありません。そして理想主義者気質当人も、本当の自分が分からない事が多いのです。完璧で独創的な本当の自分を追い求めて彷徨うのが、この気質の人生なのです。
ただ理想主義者気質は、個性を発揮できない平凡な人生は意味が無いと感じます。独特の価値観をもち、世間と違う人生を送り、かつそれが他人に認められたり、評価されたいと望んでいるのです。ユニークなだけでなく、それを人に認めてもらう事に意義を感じるので、対人関係には惜しみなく時間とエネルギーを使います。自分の価値観が認められるのであれば、見返りも求めず入れ込みますが、人間関係を理想化しするあまり、失望したり傷ついてしまう事もしばしばです。結果として誰かに夢中になったと思ったら、周りからは大した理由があるように見えないのに、すぐに別の人に乗り換えている事があります。
人間観察に興味を持っており、自分や他人の出来事をロマンチックに考えるのが好きです。また未来志向なので、現在起きている事より将来どうしたいかを気にかけます。とくに自分や他人の可能性を引き出し、夢を実現する(してもらう)事に強い興味を持っています。
人の役に立ちたいと考えている所は保護者気質と似ていますが、義務や奉仕ではなく、人間関係を深める事に関心があります。褒めるのも褒められるのも苦手な保護者気質と異なり、こちらは相手に共感してよく褒め、また褒められるのも大好きです。逆に批判されると、他の気質以上に落ち込んだり、カッとしやすい欠点もあります。
この気質は人口が少なく、学校の30人クラスに数人しかいない計算になります。しかし社会に与える影響は、それ反して大きいものがあります。作家、詩人、ジャーナリストは、理想主義者気質から輩出される事が多いためです。また教師、カウンセラー、俳優、宗教関係者などでもこの気質の人が多く活躍しています。
理想主義者気質に分類される性格類型
この気質は、さらに4つの性格類型に分けられます。いずれも上記の特徴をもっていますが異なる性格です。
INFP 人生の意味を追い求める者
INFJ 信念を持った理想家
ENFP 好奇心豊かな社交家
ENFJ 人の幸福を願う人
INFPっぽい?
ENFJのように人々の平和を願うようなタイプでもありませんし、ENFPのように釈迦が社交的であったかと言うとかなり疑問が残ります。
釈迦はかなり不器用です。やると言ったら聞かない人で、ありとあらゆるものを捨て去ろうとして、妻も子供も捨てました。足にしがみついて止めようとする妻や子供を蹴り飛ばしてでも煩悩を捨てようとする行為から、我が強く、人間関係には難が多かったと思います。
これらのことから、釈迦の性格はINFPかINFJのどちらかだと思われます。
INFJは信念が硬く、正直釈迦っぽくありません。彼は信念が硬いと言うよりも全てのものを受け入れ、そして全てのものを捨て去ることで幸福をえる。つまり悟りを開けると考えています。社会をよくすると言うよりも人々の、引いては自分の苦しみをどのように解消するかを常に研究していた人間で、初めは特に民に仏教の考えを教えるつもりはなかったと考えられます。
悟りを開き、神様にあったことで人々に仏教を教えるようになるので、初めは特段他の人を救おうとか、社会を良くしようとか、国を治めようとは思っていなかったはずです。
まず、悟りを開く前までの釈迦の性格はINFPと思っていいでしょうね。
INFPが釈迦っぽいところ
夢や理想に懸命に取り組むほか、芸術や新しい概念に惹かれます。
ものごとを一気にやり遂げる傾向があり、自分が打ち込んでいる事に深く集中し、大きな成果をあげます。
人を支配したり威圧したいとは考えず、所有物や物理的な環境にも、あまり関心を払いません。ところが自分の理想や信念が脅かされると、とたんに周囲に合わせることを止めます。そして普段は考えられないぐらい激しく、自らの価値判断を訴えかけます。
INFPの理想に向かって努力する所は美点ですが、問題もあります。
理想を追い求めるあまり、時に実現不可能なほど高い目標を自分に課してしまいます。
その結果、無力感と激しいストレスに襲われる事があります。また感受性が強いので、相手が批判的に言ったつもりでない事にも傷つきます。そして相手と話し合いをする事なく、怒りと悲しみを自分の中に押し込み、その人とはつき合わないようにして処理してしまいます。全性格中、最も根に持ちやすい傾向があるので注意が必要です。