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【要約】AI分析でわかったトップ5%社員の習慣

 

 

 

AI分析でわかった トップ5%社員の習慣



AI分析で判明、「上位5%社員」と「それ以外95%」の行動習慣はここが違うだから人事評価に差がつく。「成功する5%」と「それ以外の95%」の働き方はどこがちがうのか。働き方改革の支援を行うクロスリバーの越川慎司代表は「1万8000人の働き方を定点カメラ・ICレコーダー・GPSで記録し、AIで分析したところ、トップ5%の行動習慣には共通点があった。それは5つにまとめることができる」という──。

 

『トップ5%社員の習慣』では、その行動習慣を具体的に解き明かします。すべてではなくとも、必ず読者のみなさんにも適用できる行動パターンがあるはずです。どれか1つでもいいので、ぜひ明日から試し、「5%社員」への第一歩をスタートしましょう。

評価制度が大変化する中で「評価」される人材とは?

顧客の嗜好が変わり、新たなテクノロジーが次々出現する変化の激しい時代。儲け方(=ビジネス)のルールも、評価制度もどんどん変わっています。

そんな環境下で、「成功する5%」と「それ以外の95%」は何がちがうのでしょうか?


私が代表を務めるクロスリバーでは、これまで605社に対して働き方改革の支援を行ってきました。その過程で、各社の人事評価「上位5%」の社員(以下、「5%社員」)は、どのような行動・働き方をしているか調査し、その結果を今回、『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー トゥエンティワン)にまとめました。

25社1万8000人の「働き方」を徹底分析

調査をしたのは、顕著な成果を出した「5%社員」たちは優れた働き方を実践しており、そこに再現性の高いルールが存在し、必ず一般化できる要素があるはずだ──と考えたからです。そのため、クライアント企業25社にご協力いただき、「5%社員」と、そうではない「一般95%社員」の働き方を徹底的にリサーチしました。むろん、彼らは自分自身が人事評価でどちらに属しているかを知りません。

対象となる「5%社員」には、いつもどおりの行動をお願いして、デスクに定点カメラを設置したり、ICレコーダーやセンサーを装着してもらったり、クラウドサービスや対面ヒアリングなどを通じて行動や発言を記録しました。

これらのデータをAIと専門家によって分析し、「5%社員」の共通点や、一般社員との違いを抽出していきました。サンプル数は「5%社員」とそれ以外の社員が約9000人ずつ、合計1万8000人です。

「その他95%」でも再現可能な「上位5%人材の5つの習慣」

突出した成果を出した「5%社員」は、しばしば「できるやつ」と特別扱いされるかもしれません。「5%社員」は別の部門に異動しても成果を出しています。まったく別の業種に転職しても成果を出し続けるでしょう。

また、調査を通して浮かび上がってきた「5%社員」が実践する行動習慣は、その後、29社で実証実験を行い、「5%社員」以外の一般社員でも取り入れれば効果が出ることを確かめました。

つまり、彼らが会得しているビジネスのコツは、「他の一般社員においても再現できる可能性が十分にある」といえるのです。

調査を通して明らかになった「5%社員の5つの行動原則」を簡単に紹介します。

「一般95%社員」との対比は、納得感のあるところと思います。では、あなた自身の行動習慣との比較ではどうでしょう?

 

原則①「5%社員」の98%が「目的」のことだけを考える

 

■課程よりも結果を重視する
「5%社員」には高い頻度で出現する言葉があることがわかりました。それは「結果」や「目標」。そして、「達成する」「成し遂げる」「認められる」。彼らはこうした言葉を、一般社員の3倍以上の頻度で使用していました。

 

■時間を大切にする
「5%社員」は、時間をとても大切にします。時計を見る時間は一般社員よりも1.7倍も多く、会議では期限や時間に関して2.3倍以上の発言をします。

彼らが大切にしているのは「達成感」です。より大きな達成感を得るためには、より大きな目標が必要です。この目標を自分で設定して、最短距離で達成しようとします。

 

■仕事は量ではなく質
「一般95%社員」の作成する資料のほうが、「5%社員」の資料より総ページが32%多い傾向にありました。中身の薄さを誤魔化すために、作成枚数を増やしたと思われるケースも散見されました。

一方、「5%社員」は、そもそも資料作成時間が一般社員より20%ほど短く、作り上げた資料の枚数は少なく、パワーポイントの1スライドの中に使用する文字数も少ない傾向が顕著でした。

彼らは伝えることよりも「伝わること」を目指しています。相手の頭の中に入れるべき重要なことを見極め、それを資料の中で視覚を通して相手に「伝わる」ようにしています。

 

原則②「5%社員」の87%が「弱み」を見せる

 

■「学ぶ」姿勢を失わない
「5%社員」は、仕事に関する知識を十分保有しており、しっかり考えて動くことができます。しかし、知識があるからといって、それをひけらかしたり、そうでない人を下に見たりということを決してしません。

「5%社員」は、「自分にわからないことがある」「まだ学べていないことがある」という前提に立っています。そのため、常に他者から自分にはない知見を獲得しようとしています。

 

■関係構築する際に「弱み」を見せる
「5%社員」は自分の弱い部分を見せることを厭わず、決して強い部分によるマウンティングをしません。


調査をしていて印象的だったのは、「5%社員」は、はじめての人と関係構築をするときに、カジュアルな雑談から入り、その中で相手との距離感を縮めたうえで、相手と関係構築をするとなったときに「自分の弱み」をまずさらけ出していたことです。

アンケート調査でも、「5%社員」は73%が「自分の弱みを出すことに抵抗がない」と答えています。一方、「一般95%社員」の中で「自分の弱みをさらけ出すことに抵抗がない」と答えたのは23%しかいませんでした。

原則③「5%社員」の85%が「挑戦」を「実験」と捉える

 

■自発的に行動し、その量が多い
「5%社員」は、自発的に行動して、結果として自分の活躍できるフィールドを見つけます。天性の能力や運を否定はしません。しかし、成果を出し続けてトップ5%の評価を得る人材は、共通して行動の量と頻度が多いことが特徴的です。

「一般95%社員」よりも「5%社員」のほうが、会話やチャットで接する人数が多く、会議での発言頻度は一般社員より32%多く、社内での移動距離も22%長い傾向にありました。

一方、評価がよくない社員の口癖は、「どうせ」や「だけど」です。「だけど今は忙しくて手をつけられない」や「どうせ失敗してしまうから、やっても意味がない」と言って新たな挑戦を避けていきます。彼らは失敗することが怖くて、自分たちの可能性を閉ざし、思考を停止させてしまうのです。

 

■「5%社員」は横の広がり、「一般95%社員」は専門性を追求
以前は「T字型人材」がもてはやされました。専門分野の深い知識をもつ「I型人材(スペシャリスト)」に、ほかの分野に対しても幅広い知識と知見をもつという意味の横棒「─」をプラスした人材のことです。

今回の調査では「5%社員」は横の広がり、つまり自分にはない経験やスキルを身に付けようとする人が69%いることがわかりました。これに対し、一般社員ではI型のスペシャリストを目指す人が63%いました。

「5%社員」は、変化の激しい中で対応力を高めていくには、1つのスキルや技術に固執することなく、より多様な能力を身に付けていったほうが市場価値が高まると考えています。

原則④「5%社員」の73%が「意識変革」はしない
■「5%社員」は行動から変える
「行動を変えるためには意識を変えないとダメ!」と主張する自己啓発本が多々あります。しかし、「意識が変わらないと行動を変えられない」というのは間違いです。意識を変えるのは必要です。ただ、それをじっと待っていても何も起こらないことを「5%社員」は理解しています。

調査対象企業では、意識を変える必要性をトップダウンで言い聞かせ続け、2年後に意識と行動が現場で自発的に変わったというケースが8%しかありませんでした。トップダウンによる意識変革は必要条件であって十分条件ではありません。

■「5%社員」は内省し、具体的メリットを周囲に伝え、共感を得る
29社のクライアント企業に対し、毎月何かしらの新しい行動を強制させました。すべての社内会議を45分に設定したり、他部門のプロジェクトチームとの連携を強制するなど、「行動実験」を行いました。


「5%社員」たちにも、こうした行動変容に対し抵抗を示す人が多数いました。しかし彼らは「内省」する習慣を持っていて、行動を変えたことによって自分にメリットがあるかどうかを判定します。そのうえで意義・目的が理解できれば、行動実験を継続していきます。

写真=iStock.com/Cecilie_Arcurs
※写真はイメージです

さらに「5%社員」は、その行動実験の結果が「よい」と感じると、同僚に広める傾向にありました。「もともとは自分自身も抵抗があったが、実際にやってみたら作業時間が8%減った」などと、具体的なメリットを相手に伝えて共感を得ようとします。

「~すべき」と正論をかざしても相手は動かないことを、「5%社員」は理解しているのです。

原則⑤「5%社員」の68%が常に「ギャップ」から考える

■「5%社員」はまずスタートし、行動しながら修正する
「5%社員」は目的を達成することを山登りのように捉えています。はじめに山の頂きを意識し、今自分がどの位置にいて、どれぐらいの時間とコストをかけて頂上に到達するかを逆算し、そこに対して行動を起こしていきます。

「5%社員」は最低限の計画、つまり「旅のしおり」を作り、まず動き始めます。頂上を意識してコンパスを見ながら正しい方向に向かっていても、途中で「内省」することで行動を修正し、最終的に頂上に到達することを目指します。

 

■「5%社員」はギャップを埋めようとする
顧客へのプレゼンテーションにおいて、情報を伝える発表者と、時間を無駄にせずに効率的に情報を得たい顧客とでは、その目的にギャップがあります。

「5%社員」は事前に顧客のニーズ(需要)をしっかりつかみ、それと自分たちの要望を近づけて情報を供給しようとします。そのため、「5%社員」は一般社員よりも事前ヒアリングを徹底する傾向があります。

プレゼンテーションの最後に行われる質疑応答の準備も抜かりありません。相手が質問しやすい空気を作り、その質問に的確に答えることで「需要と供給のギャップ」を埋められることを理解しているからです。

 個々の人材を成長させるための「個人の稼ぎ方改革」を

働き方改革が叫ばれて4年以上経ちます。約8割の企業が何らかの働き方改革を行っているといわれますが、「成功している」と答えるのはたった12%です。

残業を削減したり有給休暇の取得を義務付けたり、労働時間を削ること目指す企業が大半です。こういった労働時間の削減に対して64%もの社員がネガティブに感じ、モチベーションが下がっています。

いま目指すべきは、働き方改革ではなく、「会社の儲け方改革」と「個人の稼ぎ方改革」です。労働時間を減らして、浮いた時間を新規事業開発とスキルアップに当てれば変化の適応力が上がります。この成功パターンを個人レベルで日ごろから実践しているのが「5%社員」なのです。

「5%社員」は、残業削減に愚痴をいうようなムダなエネルギーを使わず、目標を達成して成果を残すことに注力します。そうすることで、昇進や副業、起業や転職などの未来の選択肢を複数持つことを理解しているのです。

 

 

 

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