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【要約】達成の科学 確実にゴールへ導くステップ・バイ・ステップの招待状 著者 マイケル・ボルダック 訳:吉田裕澄 監訳:高野内謙伍

達成の科学
確実にゴールへ導くステップ・バイ・ステップの招待状

達成の科学――確実にゴールへ導くステップ・バイ・ステップの招待状

著者
マイケル・ボルダック
訳:吉田裕澄
監訳:高野内謙伍

要約
 

 

誰もが「目標を達成したい」「人生を変えたい」と願うが、多くの場合は未達に終わってしまう。著者によれば、それはモチべーションやゴール設定に対する、科学的理解の欠如によるものだ。そこで本書では、目標達成コーチとして活躍する著者が、自身の成功や、2,000人以上への個人コーチングから得た知見を、目標達成のための再現可能な方法論として明らかにする。
本書の中心的な考えを簡単に言えば、強い願望を持ち、「苦痛を避けて快楽を得たい」という人間の性質を理解し、モチベーションを保ち続けるというもの。誰しも苦痛に感じることは長く続けることはできないのだ。

著者のマイケル・ボルダック氏は幼少時のトラウマによる吃音症状や対人恐怖症を乗り越え、著名コンサルタントのブライアン・トレーシー氏から「世界No.1」目標達成コーチと称される人物。自己啓発的な理論だけではなく、具体的ステップやスケジュールなどが惜しげもなく解説されており、仕事、収入、健康など様々な分野に応用できる実践的な一冊。

要約

「できない」のは痛みと快楽を理解していないから

この本の主張は、思考は原因であり、生み出された状況は思考からもたらされた結果であるという原理原則に基づいている。

人生とは自分の一貫した思考の現れだ。では、思考とは何だろうか?思考とは、自分自身に対する質問である。質問するとあなたのフォーカスはコントロールされ、それが何であれ、それに向かって生きていくことになる。

そして、あなたの人生とすべての行いを突き動かす力、それは「痛み」と「快楽」だ。私たちのすべての行動は、できる限りの快楽を得るため、または痛みを避けるためのいずれかによって生み出される。それゆえ、痛みと快楽を理解し、コントロールすることが成功への最大のカギなのだ。

桁違いの生活を満喫できる人は、長期的思考を持ち、ずっと先にある快楽を得るために目先の痛みを我慢できる。一方で、今すぐ快楽を手にしようという短期的な考え方をすると、のちに耐え難い痛みを招くことになる。わかりやすい例は、喫煙、ジャンクフードの食べすぎ、お酒の飲みすぎなどである。

痛みと快楽をコントロールするための答えは2つある。1つ目は行動を変えるほどのモチベーションを与えてくれる、ワクワクする長期的ゴールを持つこと。大いにモチベーションを感じさせるゴールを持っていないと、私たちは短期的な快楽を求めようとしてしまうのだ。

2つ目の答えは、自己規律だ。例えば筋肉質の体をつくるには、ジムでウェイトトレーニングをするという日々の規律を守る必要がある。短期的には不快感を覚えるが、長期的には何倍にもなって報酬が返ってくるのである。

もし痛みを受ける行動であれば、その行動に悪い感情を結びつけるようになる。その結果、習慣として定着させるほどその行動を続けられない。だから、良い習慣をつくる秘訣は、ゴールに向かう行動をすることにたくさんの快楽を結びつけることである。

例えば、体重を減らすというゴールがあれば、まずは毎日5分の運動からはじめればよい。たった5分の運動を1日やるだけでは体重を減らせないが、運動に対して苦痛を連想しないから、この習慣を続けることができる。5分の運動が習慣になれば、あとは快適領域、つまり自分の限界値を徐々に広げればよい。そのうち10分に増やすことができるだろう。

成功者は一生涯続く成功の習慣をつくる。彼らには、自分を奮い立たせるやむにやまれぬビジョンがある。つまらないゴールでは規律を守るモチベーションを上げてくれない。そのためにも、瞬時にワクワク感を感じられる大きなゴールを持たねばならないのだ。

最高のモチベーションの生み出し方

モチベーションとは出来事ではなく習慣
モチベーションの原動力となるのは、できる限りの快楽を得たい、そして痛みから遠ざかりたいということだ。人生とは一貫した思考の現れであり、大抵の人は1日に約3万回も物事を考える。そして、そのうちの多くの思考はゴールに向かわせるのではなく、ゴールから遠ざけている。

思考のすべてを自分でコントロールすることは不可能だ。思考の90%は無意識の習慣だからである。したがって重要なのは、ほかの思考を塗りつぶすくらいの勢いで、多くの成功をもたらす1つの思考を何度も繰り返すことである。

もし人生での急成長を達成したいのであれば、モチベーションを奮い立たせる必要がある。そして、そのモチベーションを奮い立たせるのがインカンテーション(感情を伴ったアファメーションや自己暗示のこと)だ。

インカンテーションは、フランスの自己暗示療法の創始者エミール・クーエがはじめたもので、クーエは有名なプラシーボ効果を発見した人物である。

私はインカンテーションの際に「何が何でもやっている」を選んでいる。成功者のマインドセットが、成功するために何が何でもやることであるのに対し、失敗者は達成できない言い訳ばかりをする。だから、このフレーズを何千回と繰り返すことで、成功者と同じ思考をするように自己暗示をかけているのだ。

一旦そのような習慣的思考を脳にプログラミングし、「理想の人生を生きるために何が何でもやっている」という態度をつくり上げることができれば、何かに取り組む際に脳が自動的に、何が何でもやるように体を動かしてくれるのだ。

時には成功のためには1つの理由だけでは十分ではない
あなたにモチベーションが足りないとすれば、それは、行動を起こすほどやむにやまれぬ理由が見つかっていないからだ。それが見つからなければ、日々の自己規律を守ることよりも、すぐに手に入る快楽に引きつけられてしまうだろう。

そのために、必要とする答えを得るまで、的確な質問を自分に問いかけ続けよう。自分の探していた答えが見つかるまで同じ質問を何百回も必要とすることもあるが、質問をし続ければいずれは答えが見つかる。

モチベーションを起こし、その状態を保持するためには、時には1つの理由だけでは不十分だ。大きな成功を成し遂げるには、たくさんのやむにやまれぬ理由を見つける必要があり、それが十分な数になったときに確固たるモチベーションを与えてくれるのである。

すべての人間は、「こうあるべきだ」と考える人生の設計図によって突き動かされており、素晴らしい人生のイメージを持っている。理想の人生の内容は人それぞれ違うが、成功したいという強い願望を与えるためには、ビジョンボードが有効である。

ビジョンボードには、より大きなゴール、自分の夢を表す美しい写真、それぞれのゴールの説明などを記す。インターネットからダウンロードした画像など、自分の持つ究極のビジョンに可能な限り近いものを見つけることで、ゴールがよりいっそう鮮明になって真実味を帯びる。

まずは、健康とフィットネス、人間(恋愛)関係、キャリア、ビジネス、財力など、「どんなゴールが私を一番ワクワクさせるのか?」と問いかけ、それぞれの分野で何が必要なのかを特定しよう。

人生で大きな成功と幸福を手にするために重要な習慣は、日々モチベーションを起こさせることだ。毎日最低20分間インカンテーションとビジュアライゼーション(目を閉じて、ゴール達成を想像すること)を習慣としてほしい。

無意識の障害「リミティング・ビリーフ」を壊す

脳は潜在意識にコントロールされている

脳は顕在意識と潜在意識という2つの部分からできている。潜在意識は顕在意識よりも何倍もパワフルだ。なぜなら、ほぼすべての行動は、潜在意識にコントロールされているからだ。

ロイ・バウマイスターの調査によると、日々の行動の95%が自動的に起こっており、たった5%が意識的なものであった。つまり、私たちは脳に自動操縦されているということであり、無意識のプロセスをコントロールできれば、理想の人生に向かって前進できるということだ。

人間はゴールに向かって物事を開始しようとすると、まずゴールの達成を阻止する何かしらの「障害(リソースの不足)」に直面する。そして「これは自分にとって何を意味するのだろう?」という質問に答えようとする。

次に、障害に対するあなたの持つビリーフ(信念)が痛みか快楽かを判断し、「感情」を動かす。感情がもたらすのは「行動」だ。行動は、主に感情によってコントロールされているのである。

「リミティング・ビリーフ」を壊し、出来事の解釈をコントロールする
多くの人は目に見えるものが現実だと信じている。しかし、実は私たちは現実そのものではなく、自分のマップ(思い込み)を通して再表現された「主観的現実」と呼ばれるものを見ている。

障害にぶち当たるなどゴール達成に苦闘しているということは、リミティング・ビリーフ(制限している信念)を持っているということだ。リミティング・ビリーフとは、過去の経験の誤った解釈をもとに意味付けされた思い込みのことである。

リミティング・ビリーフの例として「知的さに欠ける」「十分な教育を受けていない」「お金を稼ぐにはお金が必要だ」「怠け者だ」などが挙げられるだろう。問題は、一旦リミティング・ビリーフを受け入れてしまうと、めったに疑問に思わなくなるということだ。リミティング・ビリーフは私たちの邪魔をする無意識の障害なのである。

しかし、どんなリミティング・ビリーフも真実ではない。ブレイクスルー(現状を打破し、躍進すること)には、リミティング・ビリーフを破壊する、ポジティブな意味付けが重要となる。

例えば障害に直面したとき、失望を感じている人の多くはあきらめるか、うまくいかないのに同じことをやり続ける。けれども、障害を「決意のレベルを2倍3倍にするための課題」と解釈する人は粘り強くやり通す。

行動をコントロールするするには、人生での出来事の解釈をコントロールすることが重要なのだ。この原理原則を簡単に7つのステップにまとめると、次のようになる。永続的な変化には、変わると決断すること、そしてその方法をマスターすると決断することが必要なのである。

ステップ1 ワクワクする結果と障害を認識する
ステップ2 リミティング・ビリーフを特定する
ステップ3 即座に大きく感じる痛みをリミティング・ビリーフと結びつける
ステップ4 リミティング・ビリーフを壊して、力を与える信念と置き換える
ステップ5 即座に大きく感じる快楽を、新しい力を与える信念と結びつける
ステップ6 新しい力を与える信念を試す
ステップ7 新しい習慣をつくり出す

 

 

 

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