B! ゴロビシャ ネメシスの使い魔

ゲイン効果

ゲインロス効果

ギャップで人の心を掴む?!ゲインロス効果とは
心理現象の1つに「ゲインロス効果」というものがあります。ゲインロス効果とは、簡単に説明すると、人の心理状況において、プラスとマイナスの変化量が大きいほど、人の心に影響を与える度合いが大きくなる効果のことを指します。つまりは、相手に対して、最初にマイナスの印象を与え、その後にプラスの印象を与えた方が、より良い好印象を抱かせることができる、ということです。ゲインは利益(プラスの印象)を指し、ロスは損失(マイナスの印象)を指しています。これをうまく使い分けることで、ギャップを生み出し、効果が発揮されるのです。このゲインロス効果は、印象操作の心理テクニックとして、とても簡単で誰しもが使いやすい効果と言えるでしょう。

相手に好印象を抱いてほしいとき、相手から良い評価を得たいときに、意中の人に振り向いてほしいときなどに、意識してゲインロス効果を使うことができれば、より良い好印象や評価を得ることも可能かもしれません。

また日本人は、自己アピールや自己表現が苦手な人が多いと言われています。好印象を得たい相手がいても、空回りして何もアピールできなかったり、仕事で上司に評価してほしいときに自分がどれくらい頑張って成績を上げたかなど、そういう自己アピールや自己表現が苦手で、相手に好印象を残せなかったり、思ったほど評価されなかったり、そういった経験がある人も多いのではないでしょうか。

上手に自己アピールをしたり、自己表現ができれば良いのですが、すぐに自分を変えることは、なかなか難しいですよね。 そんなときに、このゲインロス効果を意識し使うことで、あまり苦労せずに楽に好印象や評価が得られるかもしれません。では、ゲインロス効果をどのような場面でどのように使えるのか考えてみたいと思います。

恋愛の場面で使えるゲインロス効果とは
ゲインロス効果は、今風の言葉でいうと「ギャップ萌え」のことです。例えば、体格も大きくて筋肉質で顔も怖そうな人が、実は小さな子どもが大好きな保育士さんだった…とすれば、そのギャップに人は好印象を抱きやすくなります。

例えば、恋人が欲しくて婚活パーティーに参加したとします。どの人もみんな相手に好印象を与えたいがゆえに、笑顔いっぱいの人ばかりだったとします。しかし一人だけ、仏頂面の男性がいるとします。婚活パーティーの場で仏頂面の男性をみると、「あの人には近づきたくない」と思ってしまうのが当然の反応ですよね。しかしそんな時に、コップに入っている飲み物をふいにこぼしてしまい、服が濡れてしまったとします。真っ先に仏頂面だった男性がハンカチを持って「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたらどうでしょうか?最初は仏頂面を見て、マイナスの印象が強かったはずなのに、いきなり優しくされてプラスの印象を受けることでしょう。マイナスの印象が強かったほど、プラスの印象が大きくなって、恋に落ちてしまう…ということは結構あるものです。 これも今風の言葉でいうと「ツンデレ」と言いましょうか。普段は冷たいドライな対応なのに、ここぞと言うときや、自分がすごく落ち込んでしまっているときに、とても優しい言葉で励ましてくれる…ということも、ギャップが生じてゲインロス効果を生み出すと言われています。

では恋愛の場面でゲインロス効果を使い、相手により良い好印象を与えたい場合。例えばいつもパンツスタイルで過ごしているボーイッシュな女性がいたとします。

会社で気になる人ができてどうしても相手とお近づきになりたい…

という場合は、気になる相手と会うときにスカートをはいてみる、というだけでも、ギャップが生じてゲインロス効果が期待できます。普段はボーイッシュな印象なのに、いきなり女性的な魅力を相手に与えたギャップにより、相手の気持ちを惹きつけやすくなるのです。 他にも、

人とコミュニケーションをとることが苦手でいつも緊張してしまう…

という場合。きっと緊張からゆえに、顔の表情も必然的に固まっているでしょう。しかし、好印象を抱いてほしい場合は、意識して笑顔をみせ、相手に笑いかけるようにします。それだけで、「いつもはあまり笑わないのに(マイナスの印象)、笑顔が素敵だな(プラスの印象)」と相手は感じ、ゲインロス効果が生じるのです。 他にも、

自分の外見が派手めで今時のファッションが好き…

という場合、実は料理や家事が得意というところを相手に見せることができると、好印象を抱かせることができます。

いかにも真面目で堅い仕事をしている…

という場合は、実は面白いことが大好きでアウトドア好き、というところを相手に見せても良いでしょう。

このように、上手にギャップを見せることができるとベストです。 また、サプライズやプロポーズの場面で、相手に大きな喜びと感動を与えたいと思っているときも、ゲインロス効果を意識してみると良いかもしれません。例えば恋人の誕生日のとき。「誕生日は忙しいから、いつも通り家でご飯を食べよう」と伝えておきます。しかし実際は、夜景が綺麗に見える高級レストランを予約しといて連れていく。それだけでも、大きなギャップが生じますよね。誕生日なのに普段通り家でご飯を食べる(マイナスの印象)が、夜景な綺麗に見える高級レストラン(プラスの印象)に変わって、より大きな喜びと感動を与えやすくなります。 また、プロポーズの場面でも、「指輪が用意できなかったから、また今度…」と伝えておきながら、家に帰ると机の上に指輪が用意してあった、とすると、より大きな喜びと感動を相手に与えやすくなるのです。

異性にモテる人は、自然とこのゲインロス効果を使っているとも言われています。普段から恋愛の場面で、ギャップを作ることを意識してみると良いかもしれませんね。また仕事で上司から評価をしてもらいたいとき、商売をしていて顧客を獲得したいときなども、ゲインロス効果を意識し、何かギャップのある姿を相手に見せてみると良いかもしれません。

 

■「ジャイアン効果」

ジャイアンは嫌な奴である。すぐに殴ってくるし、借りたものは返さない。そもそも、借りたというか、無理やり取られたわけで、本当に理不尽な男だ。しかし、それでも、彼は憎めない、いい奴だという評価を得ている。なぜか? それは、彼がたまに(特に映画で)物凄く頼れるいい奴になる時があるからだ。万策尽きて、絶体絶命の中でも、ジャイアンが先陣を切って、自分の命を顧みず、戦いに挑む。そんなジャイアンを見て、我々は日々の嫌なジャイアンを帳消しにして、「なんていい奴なんだ!」と思ってしまう。

 

この心の働きは、ネットスラングで「ジャイアン効果」と呼ばれているようだ。普段はネガティブな印象であるが、たまにポジティブな印象が効果的に入り込んでくることで、全体としての印象が大きくポジティブ側に振れるという効果だと思ってもらえれば良いだろう。

 

この効果のことを心理学的に最も正確な表現で言えば、「ゲイン・ロス効果」である。

 

 

 

「ハロー効果」:もっとも顕著にみえる特徴によって、その人全体の評価が歪められてしまうこと。

「ロス効果」:ハロー効果によってもたらされていた良い印象を覆す特徴が見られた時に、通常よりも印象が悪くなること。

「ゲイン効果」:ハロー効果によってもたらされていた悪い印象を覆す特徴が見られた時に、通常よりも印象が良くなること。

 

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