メルカトル図法とは?
多くの人が「地図」と聞いて思い浮かべるであろう地図はメルカトル図法によって制作されたものでしょう。
北極や南極に近づくほど実際よりも大きく表示されてしまうという特長を持っているため、北極に近いグリーンランドなどの国は実際よりも何倍も大きく人々に認識されていることはよく知られています。
アフリカと比べるとご覧の通り
メルカトル図法で見るとこのようにグリーンランドとアフリカが同じぐらいの大きさに見えますが、実際はどうかというと…
わかりやすくgifで見てみると
ほぼメキシコとほぼ同じ大きさであることがわかると思います。
グリーンランド
2,166,000 km2
メキシコ
1,973,000 km2
また、インドともほぼ同じ大きさとなっています
なお、グリーンランドが地図よりも小さくなると言っても、日本の面積の5.73倍とかなりデカイことには変わりはありません。
なぜメルカトル図法は大きさが異なるのか
メルカトル図法による地図にはいくつか間違いが含まれます。
そもそも、球体である地球を平面の地図にする際にはどうしても「ゆがみ」が生じてしまうものです。
では、地図はどのようにゆがんでいて、「正確な地図」を選ぶにはどうすればいいのかが、以下のYouTubeのムービーでわかりやすく解説されています。
Why all world maps are wrong - YouTube
Why all world maps are wrong - YouTube
Googleマップなどは世界地図を平面上で表現していますが、そもそも地球は丸いもの。では、丸い地球をどのようにして平面に直しているのでしょうか?
まずは地球をペラペラにするためにナイフで切ってみます。
しかし、ペラペラしようといくら伸ばしてみても背面にはなりません。当たり前ですよね。地球は球体なのですから。
球体である地球儀をゆがみのない平面地図に直すことは不可能である、というのは物理学者・数学者のカール・フリードリヒ・ガウスが証明していることです。
球体である地球儀をゆがみのない平面地図に直すことは不可能である、と物理学者・数学者のカール・フリードリヒ・ガウスが証明しています。
1500年ごろから、数学者たちは地球儀を平面を直すアルゴリズムについて考えていました。
メルカトル図法に限らず、平面の地図は全て何かしらの要素が駆け落ち、正確に表すことはできないのです。そのため、地図というのは用途、目的に合わせて作られています。
地球を平面で表すとどうしても何かの要素が欠け落ちてしまうのです。
メルカトル図法では大きさが情報が欠け落ちていますよね。
しかし、他の要素は劣化が少ないため、よく使われているのです。
メルカトル図法はゲラルドゥス・メルカトルが16世紀に編み出した図法です。
作られた目的としては、それぞれの土地の方向を正確に示すためで、緯線と緯線の間の距離を調整した地図となっています。
メルカトル図法の利点は、まず、狭い範囲であれば形がほぼ正確に反映されていること。
そして、なによりメルカトル図法の真の利点は「ナビゲーション」です。
メルカトル図法は「方向」が正しく示されているため、コンパスを使って太平洋を横断して船旅を行う時などに正確性を発揮するのです。
地図上で2点の場所を結んだ時に現れる角度をコンパス上で再現することで、目的地にたどり着けるようになっています。
メルカトル図法の地図に引かれた直線は、地球儀に戻した時に最短距離にはなりませんが、非常にシンプルで信頼できる道筋を示してくれるというわけです。
ゲラルドゥス・メルカトルが16世紀にメルカトル図法を編み出した際、それぞれの土地の方向を正確に示すため、緯線と緯線の間の距離を調整しました。
また、経度と合わせて正確な角度の格子となるようにも調整されました。
そのため、赤道付近は小さくなり、曲に近づくほど大きくなる地図が出来上がったわけです。大航海時代に特に必要だった地図であるため、今でも多くの人によく見られる地図になったと言えます。
多くの人が目にするGoogleマップはメルカトル図法ですから、地図と言えばメルカトル図法が最もポピュラーだと思います。
Googleマップがメルカトル図法を採用しているのは、狭い範囲であれば土地の形や角度が正確であるということが理由なようです。
アフリカはデカイ
本当の大きさを知りたいときに役に立つサイト
そんな地図の欠点を解消し、各国の大きさを正確に比較することができるサイトが「The True Size Of ...」です。
The True Size Of ...
http://thetruesize.com/
サイトを開くとGoogleマップを使用した地図が表示されます。アフリカ大陸の上にはアメリカ本土、インド、中国の図形が表示されています。
この図形はぞれぞれ別の国の国土を示しているもので、初期状態ではアメリカ合衆国(水色)、インド(オレンジ色)、そして中国(黄色)の国土がアフリカ大陸に重なった状態で表示されています。
つまり、「アフリカ大陸の面積≒アメリカ合衆国+インド+中国」ということですね。
調べたい国を検索して比較することも可能です。日本の場合は「Japan」と入力して検索すると、日本の国土がハイライト表示されます。
ハイライト表示された部分は、マウスでドラッグすることが可能。ためしに、日本をつかんでアラスカ近辺と赤道近辺に移動させると、こんなにも表示の大きさが変化することがわかります。メルカトル図法では、これほどに表示上の大きさが変化するということになります。
人口2億人の国、インドネシアあたりに日本を重ねてみると、イメージしていたよりもインドネシアの国土が広いことがわかります。特に、ボルネオ島(カリマンタン島)が思いのほか日本列島より大きいことがわかりますが、それもそのはず、ボルネオ島の面積は72万5500平方キロメートルで日本の国土の約1.9倍なので、横に並べて直接比較するとこういう結果になる、というわけ。
画面左下の方位マークをマウスで操作すると、ハイライトしている国土だけを回転させることが可能。日本をインドネシアの形に沿わせてみると、インドネシアは日本の全長よりも長い(東西に長い)国であることがわかります。
「世界で最も大きさの理解に誤差がある」とされるグリーンランドの本当の大きさを見てみると、インドと同じぐらいの大きさだったことがわかります。
「The True Size Of ...」ではメルカトル図法で「誤解」していた各国の大きさを正確に把握することができますので、暇なときに触ってみると面白いかもしれません。