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ヒュームの法則!【別名:ヒュームのギロチン】

ヒュームの法則を例でわかりやすく解説!|【別名:ヒュームのギロチン】
らぴ2Feb2020

ヒュームの法則を例でわかりやすく解説!|【別名:ヒュームのギロチン】

ヒュームの法則とは、「~である」といった事実を証言している文から、「~すべきだ・~は悪だ」といった価値を証言することは論理的に不可能であるとする説のことです。

出典は、18世紀イギリス・スコットランドの哲学者デイヴィッド・ヒューム著の『人間本性論』となっています。

・ヒュームの法則のわかりやすい例
事実証言:幸男は、男である。
↓✖
価値証言:幸男は、女性を好きになるべきである。
上の例のように、事実に関する証言から価値に関する証言への道筋は、一般的に論理では成立しないとするのがヒュームの法則です。

しかし、例のような思考の流れは個人の思い込みや固定観念によって、しばしば発生し得ます。こういった論理的誤解の道筋をスパッと切ることができるので、ヒュームの『ギロチン』と呼称されることもあります。

ヒュームの法則は、もともと哲学における用語なのですが。物語創作において、読者へ承認欲求をもたらす場面設計の際に用いることができます。

 

 

読者の承認欲求を満たす場面の設計手法

あまり専門用語ばかり使うと、読む気をなくしてしまう方も多いと思いますので。具体例で、話を進めることにしたい思います(笑)

例えば、昔から事あるごとに逃げ回っている臆病な登場人物を描くときのことを考えてみてください。

このとき、その登場人物は「だから、私は駄目なんだ」とか「だから、私は人に迷惑をかけるんだ」と考えているかもしれません。

そんなときに、主人公が「あなたが上手く逃げまわってくれたから、みんなが敵から傷つけられることがなかったんだよ。それは、あなたの長所でもあるんだよ」と声をかけてあげるシーンを作ったとすれば。

悩んでいる登場人物へ感情移入している読者は、登場人物とともに自分のことを認められたような気分になることも少なくありません。

これをヒュームの法則的に解説すると、以下の通りになります。

事実証言:Aちゃんは、臆病でいつも逃げ回ってばかりだ。
↓✖
価値証言:Aちゃんは、人に迷惑をかける出来損ないだ。
つまり、敢えて登場人物にヒュームの法則に則っていない、上のようなキャラクター設定(=臆病だから、人様の迷惑になることしかできない、と自分にコンプレックを持っているAちゃんという設定)にしておけば、

他のキャラクターが、これをヒュームのギロチンによって悩みをスパッと切ってくれる場面で、読者は承認された気持ちを味わえるようになるというお話です。

ようこそ!名無し文学部へ
楽しんでいってください。