ベリアルとは
ベリアルとは悪魔学における悪魔の一人で、「ゴエティア」に記載された「ソロモン72柱の悪魔」の1柱を担う魔神である。
68. Belial
黄道帯:魚座の5~9度
2月24日~29日
植物:マレイン
惑星:木星/海王星 惑星 :太陽
属性:水
メタル:錫/ネプツニウム
キャンドル色:オレンジ
名:ベリアル(Belial)
序列:68
爵位:王
名はヘブライ語の「無価値な」、「邪悪」、「無益」というを意味する。
9の王の中でも5番目に位置し、50の軍団を率いる。
かつては力天使の一人で、ルシファーの次に創造されたとされる。
他説では地上に知識をもたらすため、
マステマという天使長と共に天から降りてきた天使長で、
その際人間の女と交わり、巨人族を生ませ、その罪で堕天使となったとも伝えられる。
故にサタンと同一視されることも多く、「闇の国王」とも呼ばれる。
シドン(フェニキアの都市。現在のサイダ)で崇拝された魔神でもある。
燃え盛る戦車に乗った美しい二人か一人の天使の姿で現れ、穏やかな口調で話す。
彼の持つ魔力は強大で、その実力は計り知れないという。
話術の天才であり、人に地位や寵愛をもたらし、友情を長続きさせ、
自分に服従する者の危機は必ず救ってくれるが、望みを叶えるには生贄を必要とする。
またミルトンの「失楽園」によれば、
外見は美しく優雅で権威に満ちているが、地獄で最も卑猥で、
悪徳の為に悪徳に熱中する精神の持ち主であり、その魂はすこぶる醜悪だとされている。
そして詭弁に長け、どんな低俗な事柄も立派な論理に仕立て上げる才を持つ。
しかし彼の思想そのものは低俗で、善行に対しては極めて怠惰で臆病だと評されている。
「ゴエティア」によるとベリアルは地獄の魔神50個軍団を支配する序列第68の悪魔にして、力強く有力な地獄の王であるという。
また、彼は非常に美しい二人の天使の姿で炎の戦車に乗って現れ、魅力的な声で話すそうだ。
そして自分は最も尊き者たち(天使たち)の中で最初に堕天した者であり、かつては大天使ミカエルやその他のいかなる天使よりも優れた階位にあったと語るという。
次に彼の持つ能力や術者にもたらす恩恵についてだが、彼の権能は贈呈品や授与品、または議員としての役職などを割り当てる事だそうだ。
難しい言葉が多くてよく分からないが、イギリスのオカルティスト、マクレガー・メイザースが英訳した文には「His office is to distribute presentations and senatorships, etc.」と書かれているので参考にして欲しい。
他にもベリアルは術者に優れた使い魔を授けたり、友や敵からの好意を得させたりもするそうだ。
なお、彼を召喚してその力を借りたい者は、彼(下記)の印章を羊皮紙または金属板に書いて事前に身に着けておかなければならず、もしも怠った場合は彼を従える事は出来ず、恩恵は受けられないそうなので注意されたし。
ちなみに、術者はベリアルに対して生贄と供物、贈り物を捧げねばならず、もしも怠った場合は術者の要求に対して真実の答えを授けてくれないそうだ。
例えそうしたとしても、神授の力によって強制されない限り、彼が真実を語る時間は1時間程度だという。
先ほどの印章の件と合わせて覚えておくと良いだろう。
備考
ベリアルは旧約聖書や新約聖書、様々な魔導書や悪魔解説書にその名前が記述されているとても有名な悪魔であり、「ソロモン72柱の悪魔」の中でも特別な存在であるという。
「ゴエティア」ではベリアルを地獄の君主ルシファーの次に創造された者としており、その威厳が感じられる。
また、キリスト教においては、ベリアルをキリストと真逆の位置にいる存在だとする考えがあるようで、さらに、ベリアルをサタンの別名のひとつだとする考えもあるそうだ。
ちなみに、サタンとは悪魔という概念そのものに当たる存在であり、キリスト教においては神の敵対者と言われるほど強力な存在だ。